悪を裁くのは正義でもなくヒーローでもなく悪を始末する流れ者だ。まあ日本じゃ渡り鳥だけどねw
歳を重ねれば重ねるほど、遠い日の忘れものを思い出させてくれるような映画が無性に観たくなるものだ。つまり、自分がもしも10代の頃に観ていたらスゲえ感動しただろうし、最高だったんだろうな、と思えるような映画に触れたくなるということだ。
この映画『ストリート・オブ・ファイア』を最初に観たのは、残念ながら社会人になってからのことだった。しかも映画館じゃなく友人のアパートだった。サラウンドスピーカーのシステムを組んでみたから聴きに来ないかと誘われ、その効果を味わう目的で見せてくれたのがこの映画だった。確かにバイクの爆発シーンなどは映画館さながらの大迫力だった思い出がある。この映画は冒頭で・・・
ロックンロールの寓話。それはある日どこかの物語。
というテロップが流れて映画が始まる。さらに50年代の弾けるようなロックンロールがかかり、その溢れんばかりの躍動感が観るものをどんどん惹きつけていく。まさに10代の頃に出会いたかったと、そう思わせるような寓話が幕を開けるのだった。寓話だからこそ誰も死なないし、誰ひとり殺されもしない。小林旭がどこからともなく現れて悪者を退治して去っていくような、そんな「流れ者」の物語りだ。80年代にはサム・ペキンパーに代表される殺伐としたアクション映画全盛の中では異質な存在で、昔懐かしい日活映画の香りを漂わせていた。日本じゃギターを担いでやって来るけど、あっちの「流れ者」はロングコートにショットガン。バイクは撃つけど決して人は殺さない。ハンマーもめっちゃ振りかぶるけど決して人は殺さない。もしインディー・ジョーンズなら面倒臭がって拳銃を取り出し一発で仕留めるのに、最後は素手で勝負の果てしない殴り合い。なんて清々しい若者たちの青春群像なんだ。確かに10代の頃にこの映画と出会っていたらめっちゃ感動したんだろうけど、この映画が公開されたのは
24歳の頃だったんですよねw
↑じゃあゼッテー無理じゃん!
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