紛れもない危機的状況がそこに存在しているのに、全く存在していないかのように信じたからといって、この深刻な状況が好転するわけではない、というお話し
本作は、彗星衝突という地球最大の危機を発見した天文学者と教え子が、世界の人々にその事実を何とか伝えようと奔走するさまをユーモア満載で描くエンターテイメント作品。
ネタバレになるからストーリーには触れないが、このコラムタイトルが物語りのすべてw 年末年始に観まくった映画の中でNo. 1の面白さだった。タイトルの『Don't Look Up』って、巨大彗星が落ちてくるストーリーであることを考えると、そのまま訳せば「見上げるな」という意味になる。これは物語りの文脈からすると「調べるな」とも受け取れる。見聞きした情報が本当かどうかをろくに調べもせずに拡散してしまう、このご時世に対する皮肉が込められているようにも思う。
これまでのNetflixの映画と異なるのは、途中まで映画会社が進めていたが立ち行かなくなった作品をNetflixが丸ごと買い上げて作り上げた作品である点。最近のNetflixの作品はどこか乱暴で粗さの目立つものが多かったが、本作はさすが映画会社が作りかけていただけのことはあってか緻密な脚本と巧みな演出で物語りに厚みをもたらしていた。作品にとってはとても幸運な出来事が後押しをしてくれて埋もれずに済んだ事は視聴者として感謝しなければならないだろう。
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