ライダーはなぜ④ セルよりキックの方がカッコいいと思うのか?
初めてセルフスターターのバイクに跨った時は感動したね。スイッチを押しただけで「一発」でエンジンが始動するなんて夢のような話しだったからね。振り返れば、今でいうところのガラケーがスマホに代わったような感じのテクノロジーの進化に思えたね。それぐらいキックによるエンジン始動は面倒だし厄介なシロモノだった。特に寒い季節はね。これほど明確に便利なシステムなのにも関わらずライダーの多くはキックに憧れるのだ。そのあたりの謎について考察してみたい。
憧れる理由はカンタン「キックでエンジン始動してる姿の方が見た目にもカッコいいからじゃん、以上!」で本来は済んじゃう話しなのだが、それでは面白くないので少しだけ掘り下げてみる。実はキックの始動に憧れるのは男性特有の思考回路の中にその答えが潜んでいるのではないかと思っている。
ライダーの考える「カッコ良さ」とは一体何なのか?その答えを考えた時、その「カッコ良さ」の中に「便利さ」というものはいっさい存在していない。そもそも不便であることや、ひと手間加えることの「労力」を人一倍惜しまないことこそがホンモノであり、カッコ良さであるという独特の思考回路を持っているのが男性の特徴だ。極端な話しをすれば「便利=軟弱」「不便=ホンモノの男」という変換が脳内で働いてしまいがちなのだ。つまり「面倒で手間のかかるキックスターターだけど上手く付き合ってるぜ」とか「まったくアイツは手間のかかる相棒だぜ」というセリフに代表されるように、その惜しみない労力についてついつい「語って」しまいがち。他に例えるならば、アウトドア好きにありがちな「懐中電灯じゃ味気ない、やっぱ手間はかかるけどランタンでしょ」とか、クルマ好きにありがちな「オートマチックなんか軟弱だな、男ならやっぱミッションでしょ」とかアイドル好きにありがちな「AKB48よりは乃木坂46だぜ」←あっ、これは関係ないかw
ただ、こうした「こだわり」は自分で朗々と語っちゃダメ。もうね、語れば語るほど・・
コイツ面倒くせ!
ってことになっちゃうからねw そもそもそうした「こだわり」は自ら朗々と語るもんじゃなく、相手に気づかれた時に初めて、あの人もしかしたら「カッコ良い」かも、となるものだから語っちゃダメ、ゼッタイw
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