まるで新作を観ているような味わいだった4K修復版「犬神家の一族」

現在「角川映画」の45周年を記念した「角川映画祭」が開催されている。1970年代から1980年代にかけて日本の映画界に旋風を巻き起こした「角川映画」。中でも記念すべき第1作として製作された市川崑監督の「犬神家の一族」は紛れもないミステリーの傑作だった。その映画が4K修復版として蘇った。
この4K修復というのは、35ミリのオリジナルネガフィルムを物理的に修復し、4Kスキャニングでデジタル化し、傷やゴミ、画面のムラなどを取り除くというもの。修復作業のドキュメンタリー動画によると、製作当時を知るスタッフが立ち会いながら色味の調整作業を施していくという気の遠くなるようなプロセスを経て完成したものだった。実はこの『犬神家の一族』を公開当時に何度も観ているのだが、その後に発表されたVHSやレーザーディスクにDVD、そして最近ではストリーミングに至るまで様々なトーンが存在しているのだ。色味もさることながら画郭もまちまちである。最初にスクリーンで観た時はもう少し横長だった記憶なのだが、ストリーミングになるとサイズが昔のテレビサイズのように正方形に近い状態だった。色調も全体的に緑がかっていてとても違和感があった。
今回4K修復版を観てとても感動した。まるで高校時代にタイムスリップして、公開当時の新作を見ているような感じだったからだ。冒頭の臨終シーンでは、あの金屏風が細部のディテールまで見事に再現されていたのは非常に感動的だった。
そして4Kのもうひとつの恩恵は名優たちの魅力がフィルムとともに蘇ったことだ。当時30代だった石坂浩二の何とも言えない素朴な天使っぷりに、高峰三枝子や島田陽子、草笛光子ら女優陣の息をのむ美しさ。中でも那須ホテルの女中役を演じた坂口良子は、思わずため息が出てしまうほど可愛くて・・・

マジびっくりなんだけどw

名優たちのそうした一瞬の輝きや美しさをしっかりとカメラに記録して、さらに忠実に再現することの素晴らしさを改めて実感した。それをこんな新作のような状態で味わえるのだから、映画ファンにとってこれ以上の幸せはない。

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