バカなの?
ええバカですよ。黒澤バカ、三船バカですね。オレにはここ20年余りの間、ほぼツキイチで観てしまう映画があって、それは何かと言えば黒澤明の『用心棒』。胸躍るこの映画が大好きでね、だれか早く4Kリマスター版作ってくれないかなぁ、と切望してますw
何が面白いって、すべてですよ。もう言い尽くされているけど、娯楽映画とはこういうもの、というエッセンスが全て盛り込まれていますからね、この映画は。未だにわくわくしながら観てますもんw
今でこそ、人が斬られた時の効果音は当たり前に挿入されていますが、この当時はまだチャンバラ映画全盛の時代でした。そうしたチャンバラ映画の様式美ではなく、黒澤明がこだわったのはリアリティ。この映画で初めて肉だけじゃなく骨ごと斬られた時の「音」にこだわって効果音を作っているんですよね。それだけじゃなく、この映画は「血しぶき」にもこだわったですよ。まだこの映画の段階では実験的でしたが、のちの『椿三十郎』のラストシーンで花ひらくことになるんですね
また役者も素晴らしい。もう三船敏郎のように存在感のある役者さんは、もう二度と誕生しないんだろうなと思わせてくれる不世出の俳優さん。男から見ても色気があるし、躍動感は半端ないし、あのドスの効いた声ね、見栄えだけじゃないんですよね。
また他の役者さんたちも生き生きしてましたね。のちに大物俳優となる夏樹陽介がチョイ役で出てたり、死神博士の天本さんとか、ウルトラ警備隊の幕僚長でお馴染みの藤田進さんとか、みなさん良い意味でキャラがたっているんですよね。中でも先日お亡くなりになられたジェリー藤尾さんは見事な演技でしたね。キャンキャン吠える威勢が良いだけのチンピラを演じさせたら日本一ですよ!
「俺はなぁ、悪いことでやってねぇことは、ひとつもねえんだ」と啖呵をきる、左から二人目の大男は役者じなく元々は美術さんですからね。映画の冒頭で手をくわえた犬がトコトコやってくるんですが、その手を作った美術さんです。
エンターテイメントとしてこの『用心棒』がこんなに面白くなければ、クリント・イーストウッドは役者としてこの世に誕生しなかっただろう事を考えると、日本のみならず世界に与えた衝撃は計り知れないものがありますよね。という訳で今日も観ようかなぁって、
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